40代で会社を辞めました

会社を退職してからのリアルな話

資格の取得は個人ビジネスに必要なのか?

どのようなことを自分の事業にするのか、ある程度の形が見えてきた段階で「資格」についても整理しておくと良いと思います。

資格を3つの種類に分けて考える

事業に関係する資格は主に3つに分類できます。

1. なくてはならない資格

この資格がないと仕事ができない資格です。いわゆる免許です。
自分の事業に免許が必要かどうかは、事前に十分確認しておく必要があります。会計士や弁護士、宅地建物取引士など士業の免許、医療従事の免許、運転操作するのであれば各種運転免許、鍼灸師など、いろいろあります。

免許については精通した方の情報が沢山ありますので触れません。ここでは以下の資格を中心整理したいと思います。

2. あるといい資格

個人事業の展開にあたり、その資格は必須ではないけれども、あると有利なものです。資格がある事で「注文が拡がる」または「金額が上乗せされる」かもしれない、つまりお金を稼ぐ可能性のある資格になります。
国家資格のものもあれば民間資格のものもありますし、資格以外に検定試験などもあります。また、事業の付加価値を上げて少しでも競合に対して有利になるために、本業とは別に「なくてはならない資格」を取得する人もいるでしょう。士業の方に多いと思います。

3. なくてもいい資格

自分の事業にその資格は必要なく、あったとしても特別有利になるとは限らず、さらには金額がアップすることが無いものです。ここには「今現在はメシのタネにならないけれども、いずれは役立つ時が来るかも」といった資格、つまり現時点ではお金を稼ぐ可能性が低いものも含みます。

資格取得の目的を明確にする

「なくてはならない資格」を除けば、あとの残りは今スグ役立つかどうかが確実ではない資格です。もし仮に自分の肩書きを立派に見せる目的で資格を取ったとしても、実際は肩書きで受注することはまずありません。さらにはお客さんから受注できなければ事業は決して始まりません。

信用力が低い個人事業主の場合、信用の代わりになるものは「肩書き」ではなく「実績」です。そして、肩書きと実績はまったく別モノです。たとえば“基本情報技術者”の資格があろうがなかろうが、お客さんが発注する際の絶対条件にははならないでしょう。
お客さんの評価、つまり「品質が良かった」「完成が早くなかった」「コスパがよかった」などの実績がメシのタネになるのであって、「あの人には基本情報技術者の資格があるから発注しよう」とはならないのです。

もしも「なくてはならない資格」以外の資格がないことで事業に支障が出るのであれば、そもそも土俵が間違っているのかもしれません。そのような場合はもう一度事業の中身を検討し直してみることをおすすめします。

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サラリーマンを辞めて個人事業主になろうとする際は、特にサラリーマン時代と事業主としての立場の違いに注意する必要があります。

サラリーマンの場合、会社側が資格取得を奨励することがあります。しかしそれは会社にとってメリットがあることなのです(採用活動、社員のモチベーション向上、事業活動上の理由、などなど)。「資格手当」のようなお金が支払われるケースでは従業員側にも多少のメリットはありますが、それだって会社の福利厚生の一環にすぎません。

とはいえ、自分の専門知識を深める目的で資格を持つのは有益だとも思いますし、資格取得に向かって勉強に打ち込める人はすばらしいとも思います。しかしその場合であっても、勉強にかけられる時間と資格で得られる対価を比較検討してから決めたほうがいいでしょう。

本当に必要な資格は?

個人事業を考えるなかで資格取得を検討している方は、自分の事業にとってその資格が必要なのかどうかチェックすることをおすすめします。

そして「資格の取得に使う時間=お金を稼がない時間」は「実績を増やす時間=お金を稼ぐ時間」に回すこともできます。

自分の事業とって本当に必要な資格かどうか判断がつきにくい場合には、費用対効果を確認すると良いと思います。

私の事例をご紹介します

私の経験談になります。ご興味があればお読みください。

私はあまり資格を持っていません。サラリーマン時代、会社に言われて何となく取得したものは少々ありますが、今現在は単なる紙切れです。その後、個人事業主になってからはさらに資格との縁がなくなりました。

理由は2つあります。1つ目の理由は「必要になったことがないから」、2つ目は「できるだけ競合と横並びになるのを避けたいから」です。

「必要になったことがないから」はシンプルです。自分の事業は資格が不要で、さらにはお客さんからのニーズもないためです。もしも、お客さんから資格のニーズがあった場合には、おそらく他の誰かにお願いすると思います。知り合いに仕事を紹介することで人間関係がより良くなったらラッキーです。もちろん最新の知識や世の中の動きは知っておく必要がありますので、適宜収集するようにはしています。

次は「できるだけ競合と横並びになるのを避けたいから」に関してです。そもそも私は、他人と比較されるような土俵には可能な限り乗らないようにしている、といった意味です。つまり、資格をウリにしてしまうと、まず最初に資格だけで比較される可能性が出ます。そうするとよりキラキラした資格が必要になってくるかもしれません。キラキラを売りにしたい人は大勢いそうですし。

私はキラキラ合戦にかける時間がもったいないので、できるだけ別のステージで実績を増やすようにしています。なので仮に資格取得の時間があったとしたも、他者と比較されないようにするための方法を探すほうに使ってしまうと思います。そうしていても最終的にはコンペになるケースが多いのですが、受注の確率はキラキラ合戦とは比較にならない程アップすると考えています。

資格については、事業の種類によっても考え方が違うのではないかと思いますが、少なくとも私は資格の有無で困ったことは一度もありません。