40代で会社を辞めました

会社を退職してからのリアルな話

個人ビジネスを始める前に整理すべきお金

会社を辞めて個人でビジネスを始ようと考えたら、同時にお金についても整理しておくと良いと思います。もちろん資本金や設備投資などよりも、もっともっと前の話です。

身軽な状態になっておく

個人ビジネスを始める上で、あらかじめお金を整理しておく目的は「精神的なゆとり」を生み出すためです。

できるだけ生活にかかるお金の事が事業の足かせにならないように、前もってお金のことを整理しておけば、余計な心配事を大幅に減らすことができます。
ところがいつも生活費が心配な状態のままだと、必ず気持ちに焦りがやってきます。焦るようになればさまざまな判断を誤ってしまう危険があります。

「精神的なゆとり」のために必要なポイントは2つあります。

1. 借金の返済

住宅ローン、自動車ローン、人によっては学資ローンなどなど、サラリーマンが生活資金の中から支払っている借入金はできるだけ早い段階で完済しておく事をおすすめします。
ローンは負債です。つまりマイナスのお金を可能な限りゼロに近づけてておく、という事です。ローン金利を支払い続けるメリットだってどこにもありません。仮に今現在は完済が難しい状況だとしても、繰り上げ返済は積極的に行った方がいいと思います。

もし現在の住居が一等地にあったとしても、将来のことなど誰も予測ができません。リセールバリューへの期待が負債を持ち続ける理由にはならないと思います。スッキリさせたところで何も損はしません。

2. 生活費の蓄え

先のマイナスのお金とは異なり、これはプラスのお金になります。
個人でビジネスを始めていきなり売上が立つ保証はありません。その時の備えとして、今の貯蓄とは別口にして生活に必要なお金を、最低でも半年分以上はキープしておくことをおすすめします。

現在それなりの貯蓄があったとしても、売上が無い状態が続けばいずれお金は枯渇します。たとえ「オレは絶対にビジネスを軌道に乗せてやる」という強い意気込みがあったとしても、せっかく貯めてきたお金を切り崩してチャレンジする意義があるかどうかは慎重に考えたほうがいいと思います。

「最初から十分な売上と利益が出たらラッキー」を前提に、早いタイミングからお金を整理するにこしたことはありません。

 


サラリーマン生活を長く続けると、多かれ少なかれお金の感覚は“メタボ”になります。しかし肥満になっていることに本人が気付いていないだけです。

個人ビジネスを思い立ったら、サラリーマンでいる間にダイエットのつもりで家計を整理し生活基盤を健全にしておくと良いと思います。
設備投資などは事業を立ち上げた後からでも間に合います。お客さんが見込めるようになってから慌てて用意すれば済みますので。

私の事例をご紹介します

私は偶然にも負債がない状態で個人ビジネスを立ち上げることができました。サラリーマン時代に金利がバカバカしくなり、住宅ローンの繰り上げ返済をせっせとやったりしたためです。

自分では意図せずに会社員として定期収入があるうちに生活費が整理できたことをラッキーに感じています。恐らく生活費の心配が大き過ぎたら開業は思いとどまったいたかもしれません。