個人事業を考え始めたら、まずは早々に「自分に合った事業とは何か」を見極めておく必要があります。
自分の事業を決める時のポイントです。
- 今すぐにできること
- やりながら考える
今すぐにできる事をする
ここでの「今すぐにできる事」をもっと具体的に言うと「お金を稼いだ実績がある事」です。
お金を稼いだ何らかの実績があれば、お客さんに買ってもらうチャンスはあるかもしれません。しかし、仕事としての実績がない人から買ってくれるほど甘くはありません。お客さんにすれば、別の人から買えば済む話です。
反対に仕事としてお金を稼いだ実績があれば、その業界の慣習、事業環境、顧客ニーズ、事業リスクなどなど、机上だけでは分からないような知識と経験が役立つかもしれません。
何よりも「お金を稼いだ実績がある事」を自分の事業にする最大のメリットは、初回売上までの期間を短縮できることです。
仕事としての実績がない事を始めてから、軌道に乗せるまでの時間と労力は馬鹿になりません。よほどの資産家でないかぎり、個人事業の体力には限界があります。いちばんの最短距離、つまり「近道」をしないと途中で息切れしてしまうと思います。
ようするに、失敗のリスクがいちばん低いもの=成功確率が高いものは何か?を見極めることが大切です。
たとえば「オレの蕎麦打ちはプロ級だ」としても、蕎麦でお金を稼いだことが一度もなければ趣味にすぎません。蕎麦が美味かったとしても、お店のオペレーションや原価管理、仕入れ先の開拓、集客方法などなど、未経験の事が山ほどあるかもしれません。
今まで仕事としてお金を稼いだことのある実績を捨ててでも未経験の事業にチャレンジしたい場合、一旦、就職や副業で仕事の経験を積んだほうが良さそうです。今の私なら趣味は道楽としてワガママ放題に楽しみたいですが。
やりながら考えていく
自分の事業の方向性が「何となく」でも見えてくれば、おのずと次のステップに進めるはずです。しかし、考えている状態のままでいては何ひとつ進展しません。実際、私の周りにも「考えたことはあるんだけど、〇〇の理由があったからスタートしなかったよ」と言う人たちがいます。スタートしなかった〇〇の理由は後からいくらでも付け足せます。
個人で事業をやろうと思い立ち、あれこれ検討するだけでは永遠に始まることはないでしょう。自分で思っている開始地点はいつまで経っても絶対に向こうからやって来てくれることはありません。
自分では不完全な状態だと思っていても、実際にやってみないと妄想の世界でグルグル回っているだけで、何も分からない状態で終わってしまうと思います。
個人事業の武器は「身軽さ」です。実際にやってみた結果、違っていたら修正し、うまくいかないようであれば止めればいいだけです。
また、実際にやってみると当初考えていた事業とは中身が変わってくる事が多々あります。世の中は変化しています。いくら完璧なリサーチ結果があろうが思惑通りに進むとは限りませんので(むしろ思惑通りにいかなくて当たり前)、「実際にやりながら変化に対応すればいいや」ぐらいの腹づもりでいたほうがいいと思います。
つまり「最も時間をかけずに売れるものでスタートしてお金を稼ぎ、その先は実際やってみながら修正していけばいい」という考え方で自分の事業を見極めると良いのではないかと思います。
私のイタい経験
私の経験談になります。ご興味があればお読みください。
私が個人事業をやろうと考えた当初は、実のところ庭師をやりたかったのです。もちろん庭師の経験などありません。なぜ庭師なのか?の理由は、職人仕事に対してのリスペクト、自然と植物が好きな事、さらには“会社の業務”に関わりたくなかったからだと思います。サラリーマン時代の反動ですね。
もちろん「入念な検討」もやりました。さらには集客用WEBサイトなんていうのも作りましたっけ。
結果は? 当然なにも起きません。スタートすらしませんでした。未経験者がすぐに商売として食べていける筈もないです。また、単に「好き」や「面白そう」というだけではモチベーションを保てません。
モチベーションの源は他人からの評価、つまりお客さんであり収入です。
その後、もろもろの未経験事業には見切りをつけて、サラリーマン時代の自分が最もお金を稼いだ仕事で個人事業をスタートしました。遠回りしながらも現在地点にたどり着いた経験は私にとっていい教訓です。
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