40代で会社を辞めました

会社を退職してからのリアルな話

退職の責任を感じる必要がない理由

会社の反応はどうだったのか

会社を辞めようと私が決めてから、実際に退職するまでの期間は短かったです。「退職願」を出してから半年後には会社と無縁の関係になっていました。どちらかといえば、辞めようかどうしようかモヤモヤしてしていた時間のほうがずっと長かったと思います。

特に30代、40代の中核社員が辞める場合、一般的に会社は強く引き止めようとするのではないでしょうか。私の場合も形式的にはそれなりに引き止められました。

ただ、会社が社員の退職を引き止める理由はすべて「会社の都合」「上司の個人的な都合」を考えてのことでしかありません。会社や上司が退職しようとする人の生活や人生を心配する道理はこれっぽちもありません。引き継ぎ先としての適任者はいるかどうか、代替となる人材を新たに採用する必要があるのかどうかなど、会社の業務を回し続けるための面倒な仕事を増やしたくないのが本音です。
実際、私が退職願を提出したあとに役員とサシで飲みに行く機会があったのですが、「○○君が辞めたらオレの仕事が増えてしまうじゃないか」と言われました。

したがって私が会社を辞める時には、会社のことはまったく気にせず粛々と業務の引き継ぎをこなしていきました。

唯一の気掛かりだったこと

一方でいちばん気になったのは部下達のことでした。部下のモチベーションを上げるために日々色々なことを実践しておきながら、その張本人である私が辞めると知ったときのインパクトは大きく、彼等の仕事に対するモチベーションを下げてしまう要因になってしまわないかどうかが心配でした。

こちらについては、退職日の1ヶ月前にカミングアウトしたのですが、かなり驚いた様子ではありました。本当のところは彼等に直接聞いたわけではないので、今になってもよくわかりません。風の便りでは、当時最も信頼していた部下の一人が、現在は重要なポストで大活躍しているとのことですので、とても嬉しく思っています。

"辞めない”言い訳はいくらでも作れる

サラーリマン生活が長く、特に新卒で入社してから一度も転職経験のない人は「自分が辞めると会社に迷惑がかかる」「会社に迷惑をかけるのはよくないことである」といった考えを持ってしまうことがあるかもしれません。しかしそのような発想を持っているがために退職を思いとどまっている人がいるとしたら、私は「辞めない理由は本当に“迷惑”を会社にかけたくないからですか?」と質問してしまうと思います。

今の時代に会社が社員の人生の面倒を見続けることはできません。とっくの昔に社員は奉公人でもなければ番頭さんでもなくなっており、契約に従って仕事をし(正社員であっても労働契約です)その対価をもらう関係です。そして“迷惑”という気持ちの捉え方は個人個人で異なるとともに、社員も十分すぎるぐらい会社から迷惑をかけられているはずです。
もし長年慣れ親しんだ会社への愛着(“お世話になっている”という感情かもしれません)があったとしても、その気持ちを大切にして周囲と接すればいいだけです。少なくとも私は、自分にとって都合のいい「想い」や「慣例」を理由にして、現実問題を楽な方へとすり替えてしまわないほうが万事うまくいくのではないかと思っています。

みんな自分が主人公です

「退職願」の提出後は会社から引き止められたり、気掛かりなことも残りますが、スパッと辞めて絶対に大丈夫です。
あなたが会社の心配する必要はまったくありません。逆にあなたが困ったとしても会社は何ら困りません。
あなたが育てたと思っている部下は自ら育っただけです。逆にあなたが部下に育てられたのです。
会社であなたの代わりになる人材はこの世にいくらでもいます。